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データ漏えいのリスクと影響:原因と防止策
企業は成長を促し、競争力を維持するために、新しいテクノロジーを積極的に導入していることでしょう。しかし、こうした強力なツールを取り入れる際には、既存のシステムでは十分に対応できない新たなセキュリティ上の課題が生じることがあると認識しておくことが重要です。初期設定や習熟の段階で問題が起きるのは珍しいことではありません。新しいシステムの使い方を覚える過程で、設定を誤ったり、意図せずデータを公開してしまったりするなど、多少のつまずきが生じるのも自然なことです。残念ながら、こうした導入初期の学習過程が、サイバー攻撃やその他の脅威につけ入る隙を生むことがあります。
特に注意すべき重大なリスクのひとつがデータ漏えいです。深刻なセキュリティインシデントや脆弱性の悪用につながり、評判や収益に影響を及ぼす可能性があります。データ漏えいとは何か、どのように発生するのかを理解することは、貴重な資産を守るだけでなく、チームが新しいテクノロジーを安心して活用できるようにする、強固で多層的なセキュリティ戦略を築くうえで欠かせない第一歩です。
データ漏えいとは?
データ漏えいとは?
データ漏えいとは、機密情報が誤って、意図せず、または悪意を持って一般に公開されたり、権限のない人物に知られたりすることです。データ漏えいは、人為的ミス、設定やインフラストラクチャの構成ミス、権限設定の緩さ、機密情報の不適切な共有などによって発生します。多くの場合、データ漏えいの原因はデータセキュリティの不備です。
データ漏えいは、より大きなセキュリティ問題を引き起こしたり、企業のシステムや業務における脆弱性を露呈させたりする可能性もあります。特に、悪意ある攻撃者に情報が渡ってしまった場合は注意が必要です。
よくあるデータ漏えいの3つの種類
データ漏えいは、次の3つの状態のいずれでも発生する可能性があります。
転送中のデータ:メール、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、アプリケーションなどを通じて、ある場所から別の場所へ送信されるデータです。
保存中のデータ:送信されずに、どこかに保存されているデータです。サーバーやクラウドストレージ、デバイスのハードドライブ上のデータなどが該当します。
使用中のデータ:アプリケーションやユーザーによって、現在使用、編集、処理されているデータです。コンピューターのメモリに保存されたデータなどが該当します。
データ漏えいとデータ侵害の違い
データ漏えいもデータ侵害も、機密情報の漏えいや流出につながりますが、データ漏えいは通常、意図せず偶発的に発生します。一方、データ侵害は多くの場合、悪意ある攻撃者による標的型攻撃が原因です。
ただし、漏えいした機密情報を悪意ある攻撃者が悪用すれば、データ漏えいがデータ侵害につながる可能性があります。データ漏えいに起因するデータ侵害は、金銭的損失や評判の低下など、組織に深刻な損害をもたらすことがあります。
AIシステムにおけるデータ漏えい
AIシステムにおけるデータ漏えいは、トレーニング、デプロイ、または使用中に機密情報が露呈したときに発生します。
機密データを使ってモデルをトレーニングした場合や、誤ってトレーニングデータに含めてしまった場合、モデルが後になってその情報を明らかにする可能性があります。また、モデルの動作や意思決定に影響し、予測の信頼性が損なわれたり、偏った判断が生じたりすることもあります。
モデルが機密情報を明らかにすると、データ漏えいがより大規模なAI攻撃につながる可能性があります。また、データが適切に暗号化されていない場合や、セキュリティ対策が講じられていない場合は、モデルのデプロイ、転送、保存中にAIシステムからデータが漏えいする可能性があります。
データ漏えいで流出するデータの種類
データ漏えいによって、次のような幅広い種類のデータが流出する可能性があります。
知的財産や企業秘密
ユーザーの認証情報
社会保障番号や金融情報など、個人を特定できる情報
顧客データ
メールやプライベートチャットなどの社内コミュニケーション
医療情報や診療記録
一般に、公開されていない情報はどれも、データ漏えいで悪意ある攻撃者の手に渡れば価値ある情報となります。ダークウェブで利益を得たり、企業をさらに攻撃したりするために利用されることが多いためです。
データ漏えいの主な原因4つ
適切なトレーニングとセキュリティプロトコルがあれば、データ漏えいの多くは防止できます。そのため、根本的な原因は比較的単純な場合が多くあります。よくある原因は次のとおりです。
人的ミス:従業員やアクセスを許可されたユーザーが、誤ってデータを公開してしまうことです。メールを誤った相手に送信する、機密情報の入った業務用デバイスを紛失するといったケースがあります。
設定やインフラストラクチャの構成ミス:AIシステム、ファイアウォール、クラウドストレージの設定が誤っていたり、ソフトウェアが定期的に更新されていなかったりすると、データが公開されたり保護されなかったりする可能性があります。
内部脅威:従業員や正規のアクセス権を持つ人物が、悪意をもって機密情報を公開することがあります。最小権限の原則が守られていない場合や、組織のセキュリティポリシーやプロトコルが不十分な場合にも起こり得ます。
ソーシャルエンジニアリング:悪意ある攻撃者は、フィッシングや詐欺によって機密情報を盗み出すことがあります。水飲み場型攻撃やスケアウェアなど、ほかの手口が使われる場合もあります。
データ漏えいの事例
企業がサイバーセキュリティをこれまで以上に重視するようになった一方で、悪意ある攻撃者も手口を絶えず進化させており、データ漏えいや脆弱性の悪用が後を絶ちません。データ漏えいの複雑さによって、すぐに発見されることもあれば、長期間にわたって見過ごされることもあります。
近年の大規模なデータ漏えいには、Microsoft、Apple、Volkswagenなどの大企業が関わっています。
数年前に発生したMicrosoftへの攻撃は、Azure Blob Storeの構成ミスが原因で、社内の機密データが公開されました。ユーザーの認証情報、オープンソースAIのトレーニングデータ、個人情報などが含まれていました。
2022年のAppleのデータ漏えいは、データ保存用JavaScript APIのバグが原因でした。この脆弱性により、悪意あるWebサイトが、ユーザーが最近アクセスしたURLやGoogleユーザーIDを閲覧できる状態になりました。
2024年12月、AWSの構成ミスにより、Volkswagenでデータ漏えいが発生しました。個人を特定できる情報、車両データ、EVデータが流出しました。Volkswagenでは2021年にも、セキュリティが不十分なサードパーティベンダーを悪意ある攻撃者に悪用され、情報が漏えいしています。データベースは2019年から2021年まで保護されておらず、330万人分の情報が流出しました。
データ漏えいを防ぐ方法
データ漏えいを防ぐ最善の方法は、あらゆる段階でデータを守るための強固なセキュリティ対策を導入し、維持することです。
資産とデータを把握し、監視する:保護されていないシステムや構成ミスが原因で発生するデータ漏えいは少なくありません。そのため、すべての資産とデータの所在や保存方法を把握し、適切に保護する方法を知っておくことが不可欠です。
サードパーティベンダーを監査・評価する:機密データの取り扱いをサードパーティベンダーに委託している場合は、データが適切に管理されていることを確認するため、定期的にセキュリティを見直し、監査してください。
データを暗号化する:暗号化には復号に必要な鍵がなければ内容を読み取れないようにする仕組みがあるため、悪意ある攻撃者による機密情報の閲覧を防止できます。
従業員のトレーニング:データ保護には、セキュリティ意識の向上とトレーニングも欠かせません。悪意ある攻撃者はフィッシングやソーシャルエンジニアリング攻撃をよく利用するため、トレーニングによってデータ漏えいやその他の攻撃を防ぎやすくなります。
最小権限とアクセス制御:データへのアクセスを監視し、多要素認証を使用して最小権限の原則を徹底することで、不正アクセスのリスクを軽減できます。
戦略とポリシーを策定する:データ漏えい、データ侵害、サイバー攻撃に関する強固なセキュリティ戦略とポリシーを整備することで、攻撃の発生リスクを抑えられます。堅牢な戦略とポリシーは、データを守るだけでなく、セキュリティ上のギャップを特定し、攻撃による影響を軽減するのにも役立ちます。
データ漏えいを防ぐツール
データ漏えいの防止には、適切なツールの導入が欠かせません。 データ損失防止(DLP)ツールは、データを保護して漏えいを防ぎ、組織のリスクを軽減するのに役立ちます。また、セキュリティ管理を支援し、セキュリティプロトコルやポリシーを適用しやすくします。
DLPツールを選ぶ際に特に重要な機能は、次のとおりです。
自動化:優れたツールは、環境を自動的にスキャンして機密データを特定し、一覧化して分類できる必要があります。また、不正アクセスの防止、コンプライアンスの徹底、インシデント対応も自動化できることが望まれます。
継続的な監視:すべてのデータ状態を継続的かつリアルタイムに監視することで、不正アクセスや不審なアクティビティを即座に検知できます。これには、メールやWebサイトを介したデータ漏えいを防ぐためのネットワークトラフィックの監視も含まれます。
レポート:あらゆるイベント、ユーザーのアクティビティ、データアクセスの詳細なログに加え、コンプライアンスやセキュリティ規制で求められるレポートを作成できる必要があります。
エンドポイント保護:データをあらゆる状態で保護するため、ノートPC、デスクトップPC、モバイルデバイスなど、すべてのエンドポイントデバイスを監視する必要があります。
クラウド保護:多くの組織がクラウド環境へ移行しているため、優れたDLPツールはクラウドプラットフォームやアプリケーションと連携し、クラウド上のデータも保護できる必要があります。
Snykによるリアルタイム保護
データを保護し、漏えいを防ぐには、強固で多層的なセキュリティ体制が不可欠です。DLPツールに加えて、SDLC全体をカバーする開発者ファーストのセキュリティツールを導入することで、あらゆる状態のデータを確実に保護できます。
最新の開発者ファーストのセキュリティプラットフォームであるSnykは、SDLC全体を通じてアプリケーションのあらゆる側面を保護します。開発者のワークフローに直接統合されるSnykは、自動スキャンで脆弱性を特定し、リアルタイムで修正を提案することで、データ漏えいにつながる問題のリスクを最小限に抑えます。Snyk Vulnerability Databaseを活用して、アプリケーション内の脆弱性をテスト・スキャンできます。対象にはオープンソースコード、コンテナ、Infrastructure as Code(IaC)が含まれます。
Snykは、自動スキャン、スコアリング、リスクの優先順位付け、修正を通じてセキュリティを強化し、新しいツールやテクノロジーを安全に導入できるようにします。AIツールやコーディングアシスタントを活用するチームが増える中、Snykは開発者のワークフローにシームレスに統合され、AIが生成したコードをチェックして保護できます。
生成AI開発ツールを安全に導入する方法について詳しく知りたい方は、Snykの電子書籍Taming AI: Securing Gen AI Development with Snykをご覧ください。