すべてのコミットにセキュリティを組み込む:Snyk Secretsの未来
2026年4月23日
0 分で読めます現代のソフトウェア開発ライフサイクルでは、イノベーションのスピードと、最も機密性の高いデータのセキュリティがしばしば相反します。クラウドネイティブ開発やAI生成コードを取り入れる組織が直面しているのが、「シークレットの拡散」です。これは、APIキー、パスワード、トークンがリポジトリ、CI/CDログ、開発者向けコラボレーションツール全体に、制御されず広く分散してしまう現象です。
しかし、課題は静的な認証情報にとどまらなくなっています。自律型で状態を保持するエージェントがコードを書くだけでなく、ワークフローを実行し、Model Context Protocol(MCP)サーバーに接続し、機械の速度でアプリケーションを操作する、AI導入の新たな段階に入りつつあります。シークレットは、もはや誤って漏えいするだけのものではありません。エージェントが生成し、実行するようになっています。たとえば、AIエージェントにサーバーのセットアップを任せると、タスクの完了過程で、他のサービスとの通信に使う一時的なシークレットやアクセスキーを自ら作成することがあります。
このプロセスにより、AIはパスワードを「知る」だけにとどまらず、人間がそのパスワードを見ることなく、ログインしたり、データを移動したり、設定を変更したりできるようになります。人間による監視がなければ、適切にプログラムされていないAIや「幻覚」を起こすAIが、権限の強すぎるキーを作成したり、バックドアを残したりするおそれがあります。設計上、すべてのエージェントはシークレットを利用し、実行する存在なのです。
目に見えない、自律型の攻撃対象領域
従来のセキュリティは、ノイズが多く、事後対応型で、開発者のワークフローから切り離された「チェックボックス」的な機能にとどまることが少なくありませんでした。AIの普及が進むなか、これにより重大な不満が生じています。
アラート疲れ:従来のエンジンは誤検知を大量に発生させます。一方、外部公開されたAIエージェントは、プロンプトインジェクションによって操作され、法的拘束力のある契約をわずか数セントで承諾するなど、安全でない行動を取らされるおそれがあります。
可視性の深刻な不足:組織の72%が、組み込まれたAIの可視性を維持するのに苦労しています。開発者は、セキュリティ監視のないまま「シャドーAI」――承認されていないエージェントやサードパーティ製ツール――を導入しています。
事後対応型の修復:シークレットが漏えいしたり、自律型エージェントが本番データベースを削除したりした後では、復旧コストは甚大です。ServiceNow Bodysnatcherインシデントでは、ハードコードされたシークレットの安全でない設定が悪用され、「これまでで最も深刻なAI主導の脆弱性」と評されました。
結果は明らかです。認証情報の漏えいと、信頼できないエージェント型開発は、従来のAppSecでは想定されていなかった、リスクの一体的な脅威となっています。
包括的なリスク像を把握し、AIセキュリティガバナンス全体を強化する
AIを活用して迅速に開発するには、まず安定した可視性に基づく基盤が必要です。リスクは、優先順位を付けて修正する前に発見しなければなりません。独自コードのSASTやオープンソースリポジトリのSCAといった、従来のアプリケーションセキュリティスキャンだけでは、もはや十分ではありません。AppSecチームは、AIそのもの(モデルやアーティファクト)に起因するリスクと、脅威アクターがAIを使ってリスクを発見する速度の大幅な向上という、二つの側面で対処に追われています。
Snykは、SAST、SCA、DAST、その他の領域における業界最高水準のセキュリティエンジンを基盤とし、主要なアナリストによる評価と、エンタープライズ規模での信頼を得ています。AppSecチームにはリスクの全体像が必要だと、私たちは創業以来理解してきました。その最新の例が、AIモデルやアーティファクトまで可視性を広げるEvo AI-SPMのリリースです。この理念は、お客様に包括的なAppSecガバナンスを提供するための取り組みを導いてきました。そしてまさにこの理念が、Secrets検出の未来に向けたビジョンを共有できることに大きな期待を寄せる理由です。
私たちのビジョン:すべてを可視化し、プロアクティブに防止する
Snyk Secretsは、単なるスキャナーではありません。コードからコミットまでのギャップを埋めるために設計された、統合プラットフォームです。機密データを確実に保護しながら、開発者がスピードを維持できるよう支援することが私たちの目標です。実現に向けた取り組みをご紹介します。
1. AIを活用した高精度な検出
単純なパターンマッチングを超えた検出を実現します。Snyk Secretsは、機械学習を活用したセマンティック分析とコンテキスト分析に、高エントロピースキャンと正規表現を組み合わせた、業界最高水準のエンジンを採用しています。周辺のコードやメタデータを理解することで、誤検知を大幅に減らし、開発者が信頼できる高精度な検出結果を提供します。
また、組織では独自のシークレット(データベースのパスワードなど)が使われることも少なくありません。そのため、カスタムの正規表現やパターンを追加してSnyk Secretsエンジンを補完できることが重要です。これにより、リポジトリ内のすべてのプレーンテキスト形式のコードファイルから、シークレットを確実に検出できます。
2. シフトレフトによる防止
漏えいに対処する最も効果的な方法は、そもそも発生を防ぐことです。過去10年間、Snykのシフトレフト戦略は私たちの指針であり、Secretsも例外ではありません。開発者が普段使うツール内でリアルタイムにフィードバックを得ることが不可欠です。
防止:IDEやCLIでスキャンすれば、シークレットがコミットに入り込む前に阻止でき、時間を節約しながらセキュリティ態勢を強化できます。
検出:PRチェックでシークレットをスキャンし、主要ブランチへのマージを防止できます。また、SCMやCI/CDパイプラインと連携することで、ビルド時や定期テストでシークレットを検出できます。
3. 可視性の統合とガバナンスの統合
分断された視点では、セキュリティを適切に管理できません。Snyk Secretsは、すべてのリポジトリにわたるリスクをAppSecチームが管理できるよう支援する、Snykの一元管理アプローチにシームレスに組み込まれます。
レポートの統合:検出と修復(MTTR)の傾向を組織全体で追跡し、エクスポートすることで、セキュリティ態勢を一元的に把握できます。
無視設定の承認ワークフロー:無視設定の申請とトリアージを誰もが行えるようにし、一元化されたダッシュボードを通じて、誤検知に伴うリスク受容を一貫して管理・統制します。
これからの取り組みにご参加ください
シークレットスキャン市場は成熟し、価値の源泉はシークレットを見つけることだけでなく、本当に必要なものを見つけ、発生源で漏えいを防ぐことにあります。Snykは、お客様がシークレットの拡散を統合プラットフォームに集約できるよう支援し、AI時代における重要な可視性のギャップを埋めることに全力で取り組んでいます。
しかし、シークレットはより大きな課題の一部にすぎません。組織がエージェント型開発へと移行し、自律システムがツールや環境を横断して計画、実行、連携するようになると、攻撃対象領域は静的なコードを超え、エージェントへの入力、ツールの使用、実行時の意思決定にまで広がります。Snyk Secretsは、私たちのより包括的なAI Security Fabricを支える基盤の一つです。コード、エージェント、AIネイティブシステム全体に、継続的かつコンテキストに応じたセキュリティを提供する、目に見えないインテリジェントなレイヤーです。
SecretsをSnyk AI Security Platformに統合することで、機械の速度で動作するエージェントに合わせて、セキュリティ態勢を維持できます。Secretsの未来に向けた私たちのビジョンは、Agentic Development Securityの基本理念に直結しています。エージェントが使用するものを検証し、その動作を制御し、安全でない出力を防ぐことです。
Snyk SecretsとSnyk AI Security Platformがチームにどのように役立つか、ぜひご覧ください。デモを予約して、今後の最新情報にもご期待ください。
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