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AI部品表(AIBOM)完全ガイド
AI部品表(AIBOM)のガイドで、AIモデルのインベントリを作成する方法を学びましょう。
James Govenor氏は、OpenAIのChatGPTツールの背後にあるYou Only Live Once(YOLO)というアプローチでは、「エンドユーザーが戦略的な取り組みにAIモデルを採用するために必要な信頼を得られない」と述べています。
つまり、AIベースのツールを信頼できるものにするには、AI部品表(AIBOM)で裏付ける必要があります。
音声アシスタント、コーディングアシスタント、カスタマーサポート用チャットボット、ライティングツールなど、AIや機械学習(ML)は現在、さまざまな実用的な用途に活用されています。いずれも日々の暮らしを便利にするためのものです。しかし、こうした広範な導入は、ほとんどガードレールなしに進んでいます。AIのセキュリティ、透明性、トレーサビリティを向上させる必要があるからこそ、AIBOMの作成が重要なのです。
このガイドでは、AIBOMとは何か、AIBOMを整備するメリットについて解説します。さらに、今後の規制変更に備えてモデルを保護するAIBOMを作成するための、実践的な8つのヒントも紹介します。
AIBOMとは?
AIBOMとは、ソフトウェアアプリケーションで使用されているすべてのAIモデル、ツール、データを網羅した一覧です。ガバナンスと責任あるAIの導入を可能にします。AIシステムのデータパイプライン、モデル、トレーニング手順、運用時のパフォーマンスなどが含まれます。
AIBOMは、AIシステムの構成要素と開発プロセスを詳細に一覧化し、透明性、説明責任、ガバナンスを強化します。
AIBOMは、AIシステムを構成する個々の要素をすべて把握するための地図や設計図のようなものです。以下のような要素が含まれることがあります。
モデルのトレーニングデータを取り巻くアーキテクチャ
許可されている入力と出力の種類
モデルの想定用途と、潜在的なリスクや悪用の可能性
モデルが環境や倫理に及ぼす影響
モデルの名称、バージョン、種類、作成者
さらに、AIBOMにはモデル作成者による真正性の証明も必要です。
AIBOMとSBOMの違い
AIBOMはソフトウェア部品表(SBOM)とよく似ているのでは、と疑問に思うのは当然です。
どちらも同じ考え方に基づいていますが、SBOMがソフトウェアを対象とするのに対し、AIBOMはAIモデルを対象としています。SBOMがソフトウェア全体の目的や原則を示す一方で、SBOMスキーマはAIBOMスキーマと類似しています。場合によっては、SBOMスキーマをAIBOMの作成に役立てることもできます。
AIBOMのメリット
AIBOMの本質は、より多くの人々がAIシステムについて十分な情報に基づいて判断できるようにすることです。
透明性:AIBOMによって、AIシステムが正しく機能するためのデータソース、ツール、運用方法、ハードウェア、その他の構成要素が明確になります。
再現性:他の部品表と同様、AIBOMには、他の人がAIシステムを再現し、同様の結果を得るために十分な情報を記載する必要があります。
説明責任:AIBOMは透明性をもたらし、他の人がAIシステムの由来や指標を把握できるようにします。
責任あるAI:AIBOMに記載する情報は、潜在的な倫理上の懸念にも対処します。たとえば、トレーニングデータに関する情報は、バイアスや制限を責任ある形で評価するのに役立ちます。
セキュリティと信頼のためのAIBOM
AIBOMはユーザーデータの保護に不可欠であり、規制対象の業界がサイバーセキュリティ、データプライバシー、著作権などの分野で法令を遵守するうえでも役立ちます。
生成AI技術は登場初期、世間から目新しいものとして捉えられ、今なお大部分が規制のないまま利用されています。その結果、規制当局はプライバシーやセキュリティ上の懸念に適切に対処しようと奔走しています。
各国政府も、AIが今後も使われ続けることを認識し始めており、高まる需要に規制を対応させる必要があります。2023年10月、米国のジョー・バイデン大統領は、最先端のAIベースのモデルの説明責任を強化するため、包括的な大統領令を発令しました。
この大統領令でバイデン大統領は、米国の政府機関に対し、今後1年以内に特定の規制分野を整備するよう指示しています。法的拘束力はないものの、この大統領令は規制当局の優先事項を形作り、今後のAI関連法の策定にも影響を与えます。
AIBOMの適用範囲
AIアルゴリズムは種類が非常に多く、急速に変化しています。AIBOMを作成する前に、次の課題を検討しましょう。
網羅性:AIモデルの複雑さに応じて、基本的な一覧にするか、より包括的な文書にするかなど、インベントリに必要な範囲を検討します。
プライバシーとセキュリティの要件:AIモデルの倫理的な影響を考慮し、透明性を確保する必要性と知的財産を保護する必要性のバランスを検討します。
ライセンス:モデルを最適化し、変更を記録しやすくするために、オープンソースの活用とプロプライエタリライセンスのどちらが適切かを検討します。
標準化:部品表を作成する際の目標は、わかりやすいスキーマを提供することです。AIBOMはまだ新しい概念のため、今取り組むことで、今後のAIBOMモデルの標準化に貢献できる可能性があります。
AIBOMを作成するための実践的な8つのヒント
適切なAIBOMは、リスクの軽減、コンプライアンスの維持、AIアプリケーションの構成に関する透明性の確保に不可欠です。AIBOMの作成を始める際は、次の8つのヒントを参考にしてください。
インベントリを作成する:部品表の作成は、AIシステムの重要な構成要素を含む基本的なインベントリを作ることから始まります。構成要素には、次のようなものがあります。
トレーニングデータ
データソース
モデル
PyTorchやTensorFlowなどのソフトウェアフレームワーク
ハードウェア
依存関係
LangChainなどのパッケージマネージャー
リスクと制限を特定する:重要なのは透明性です。そのため、AIシステムのデータや設計に関する既知の問題、バイアス、倫理的な考慮事項、その他の制限要因を文書化することが不可欠です。
モデルの系譜を明確にする:モデルの進化に合わせて、明確な記録を維持する必要があります。これにより、他の人がAIモデルの由来と変遷をたどり、バージョン、再トレーニング、変更内容を把握できるようになります。
フレームワークを評価する:AIBOMは比較的新しい分野です。可能であれば、独自のものを作成する前に既存のAIBOMを確認しましょう。既存のAIBOMフレームワークがニーズに合うかどうかを判断できます。独自のAIBOMを作成すれば、他の人のための標準策定にも貢献できます。
収集を自動化する:効率を高めるため、モデルの構築・デプロイパイプラインにAIBOMの生成を組み込みましょう。
対象を絞って導入する:AI搭載ツールに最大の効果をもたらすため、初期のAIBOM作成では、優先度やリスクの高いモデルを特定して重点的に取り組みましょう。
規制に適合させる:AIBOMは本質的に、コンプライアンスを支援するためのものです。AIに関するルールや法律、規制は絶えず変化しています。必要な調査を行い、自社の分野におけるAIシステムの規制要件を理解しましょう。また、関連するすべての地域規制を遵守できるよう、AIシステムの各要素がどこにあるかも考慮します。トレーニングデータの入手元、インフラの設置場所、モデルの利用可能地域などが該当します。
再現性を高める:他の人がモデルを再構築して同様の結果を得るために必要なスクリプト、モデルの重み、設定情報を提供しましょう。
Snykの部品表への取り組み
AIを含むあらゆる技術の進歩において、倫理、環境、社会への影響を考慮することが重要です。適切なAIBOMがあれば、十分な情報に基づいたAIの導入が可能になります。
Snykは、透明性、コンプライアンスの強化、セキュリティといったAIBOMと共通する原則を持つSBOMの原則を一貫して支持してきました。SnykでSBOMを生成するには、Snyk Open Sourceのコマンドラインから始めるか、APIをご利用ください。Snykはアプリケーション全体をスキャンし、データを活用しやすいCycloneDXおよびSPDX形式でSBOMを提供します。
Snykは、セキュリティ、ガバナンス、信頼の重要性を理解しています。無料のSnykアカウントを作成して、ソフトウェア開発にセキュリティプロトコルを直接組み込む第一歩を踏み出しましょう。または、ライブデモを予約して、Snykをニーズに合わせて活用する方法をご確認ください。