AntVサプライチェーン攻撃が拡大:Microsoft関連のPyPIパッケージ「durabletask」が侵害される
2026年5月19日
0 分で読めますAntV Shai Huludサプライチェーン攻撃に関する記事を公開したばかりのところ、Pythonエコシステムで新たな侵害が発覚しました。今回標的となったのは、Microsoft関連のオープンソースPythonパッケージdurabletaskです。Durable Task Framework上で、永続性と耐障害性を備えたワークフローオーケストレーションを構築するために使われています。
durabletaskの最新の安全なバージョンは1.4.0です。また、既知の3つのバージョンがPyPIレジストリから削除されています。
SnykはこのインシデントをSNYK-PYTHON-DURABLETASK-16761538として登録しています。パッケージのSnyk健全性ページでは、悪意ある侵害が確認されたこのパッケージの最新状況を掲載しています。
何が起きたのか
悪意あるバージョンのdurabletaskがPyPIに公開されました。埋め込まれたペイロードはドロッパーで、攻撃者が管理するドメインcheck.git-service[.]comから、rope.pyzという第2段階のペイロードを取得して実行するよう設定されています。研究者は、このマルウェアを、先週侵害されたguardrails-aiパッケージで使われたペイロードの進化版と評価しています。この侵害自体も、より広範なShai Huludキャンペーンとの関連が指摘されています。
この悪意あるバージョンには、次の3つの機能が含まれています。
情報窃取:主要なクラウドプロバイダー、パスワードマネージャー、開発者向けツールから認証情報を収集し、攻撃者のドメインにデータを流出させます。
ワーム:他のパッケージや環境への拡散を試みます。
ディスクワイパー:データを復元不能な状態で破壊する可能性のある機能です。
重要な点として、情報窃取機能はLinuxシステムでのみ実行されるよう設定されています。macOSまたはWindowsを使用する開発者は、認証情報の窃取機能によるリスクはありません。ただし、環境によってはワームやワイパーの機能が影響する可能性があります。
Snykをご利用のお客様は、アプリ内でZero Day Report「Active Security Incident Assessment for Antv Supply Chain Compromise - May 2026」を参照できます。このレポートでは、本件をより広範なキャンペーンの一環として取り上げています。
影響の評価
durabletaskのPyPIでのダウンロード数は、週あたり約103,000回、累計170万回です。これは、昨日影響を受けたAntVパッケージ(npmでの週あたりのダウンロード数は合計約1,600万回)と比べると、比較的小規模です。Snykは、このパッケージの普及状況を踏まえ、本件による直接的な影響は限定的である可能性が高いと評価しています。
ただし、ここで注目すべきなのは別の点です。durabletaskはMicrosoft関連のオープンソースプロジェクトです。このキャンペーンが大手テクノロジー企業によって保守されている、またはそれらの企業に関連するパッケージを積極的に特定して標的にしているのであれば、同じ標的群で今後、影響の大きな侵害が発生する可能性は十分にあります。guardrails-aiからAntVエコシステム、そしてMicrosoft関連パッケージへと進んだことから、攻撃者は標的を絞るのではなく、対象範囲を広げていることがうかがえます。
検出と修復
Pythonの依存関係ツリーにdurabletaskが含まれているか確認してください。
インストールされている場合は、インストール済みのバージョンをPyPIのリリース履歴と照合し、Snykアドバイザリで悪意あるバージョンとして示されているものと比較してください。security.snyk.io/vuln/SNYK-PYTHON-DURABLETASK-16761538
Snykでプロジェクトをスキャンしてください。
Linuxシステムに悪意あるバージョンをインストールした場合、その環境からアクセスできる認証情報は侵害されたものとして扱ってください。クラウドプロバイダーのキー、APIトークン、および影響を受けたマシンから参照可能な環境変数や設定ファイルに含まれるシークレットをすべてローテーションしてください。
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