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多層防御

2024年2月29日

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多層防御とは、企業がさまざまなセキュリティ対策を何層にも構築し、組み合わせることを求めるサイバーセキュリティのアプローチです。単一の対策に頼るのではなく、ある層が突破されても次の層が対応できるよう、セキュリティを何層にも重ねます。このアプローチの目標は攻撃の防止、つまり攻撃者が成功するのをできる限り困難にすることです。

住宅のセキュリティも、同様の考え方を取り入れています。家を守るために、ドアに鍵をかけるだけで終わりにはしません。さらに補助錠を取り付け、窓に鍵をかけ、警報システムを設置し、防犯カメラを取り付けることもあるでしょう。 

家に侵入するには、侵入者はセキュリティのすべての層を突破しなければならず、それぞれに異なるスキルや手口が必要になります。セキュリティの層を重ねることで、侵入は単に段階的に難しくなるだけでなく、飛躍的に困難になります。 

多層防御も同じ考え方ですが、ITとアプリケーションセキュリティに適用されます。もちろん異なるのは、住宅は周囲に境界を設けられる単一の対象であるのに対し、企業が抱える多数のアプリケーションやサービスは、はるかに多くの種類の攻撃にさらされる可能性があることです。 

基本原則は同じですが、防御はより多層的である必要があります。そこでこの記事では、多層防御とは何か、その仕組みを解説し、実際に多層防御を実践する例をいくつか紹介します。

多層防御とは何か、なぜ重要なのか?

多層防御とは、同じ脆弱性の悪用を防ぐために、複数の緩和策を活用するサイバーセキュリティの手法です。 

この用語は、米国家安全保障局(NSA)が発表した2012年の論文に由来します。論文では、多層防御を「高度にネットワーク化された今日の環境で、情報保証を実現するための実践的な戦略」と説明しています。現代の環境はさらにネットワーク化が進んでいるため、この戦略は10年後の今、いっそう重要になっています。 

多層防御では、セキュリティを単一の境界ではなく、一連の層として捉えます。このアプローチを採用すると、セキュリティチームは楽観と悲観のバランスを取ることになります。新しいツールや手法を導入し、それが防ぐとされる攻撃から守られると考えるのではなく、多層防御では、導入した対策が機能しない場合を想定します。その場合、どうすればよいでしょうか。 

多層防御の視点で考える企業は、最適なツールや手法を採用するだけでなく、それらが機能しなくなった場合にも備えます。攻撃者が1つのセキュリティ対策を突破したとしても、実際に攻撃を成功させるには、さらに複数の対策を破らなければならないようにします。 

攻撃者とその手口はますます巧妙化し、大規模に展開できるようになっているため、多層防御は重要です。 次の大規模なデータ侵害としてニュースの見出しを飾る事態を避けたい企業は、浅い防御ではなく、幾重にも重なる防御を構築する必要があります。

多層防御の仕組み

多層防御は、物理、管理、技術の3つの層で機能します(セキュリティ専門家にとって最も関係が深いのは最後の技術層です)。各層はさらに多くの手法に分けられます。つまり、効果的な多層防御戦略では、3つの層を活用し、それぞれにさまざまな手法を組み合わせます。 

物理

物理的なセキュリティ対策は、企業のシステムへの物理的なアクセスを保護します。物理的なセキュリティシステムには、施錠された門やドアに加え、カメラや警備員などがあります。 

管理

管理上の対策とは、従業員やユーザーにセキュリティ上の指針を示し、それに従うよう促すポリシーや手順のことです。従業員ハンドブックに明文化するほか、サイバー衛生などを採用時に伝えたり、セキュリティ研修で教えたり、社内のフィッシングテストで再確認したりします。 

技術

多層防御の中核となる技術的な対策には、企業がシステムやリソースを保護するために使用するあらゆるハードウェアやソフトウェアが含まれます。 

技術的な対策には、次のようなものがあります。

  • 従業員の端末にインストールするウイルス対策ソフトウェア

  • 保存中および転送中のデータの暗号化 

  • 企業システムの利用者を管理する多要素認証や、特に重要なリソースの利用者を制御する承認ベースのアクセス管理

  • Snykなどの脆弱性スキャナー。オープンソースソフトウェア、コード、コンテナの脆弱性を検出します。 

  • ファイアウォールなどのネットワークセキュリティ対策

実際には、セキュリティ対策を連携させずに組み合わせても、技術的に多層防御と言えるにすぎません。真の多層防御戦略では、攻撃者がたどる可能性のある攻撃経路を洗い出し、その経路に複数の防御を設け、さらに考えられるすべての攻撃経路に対して同様の取り組みを広げます。 

多層防御の例

多層防御は、実例を通じて理解するのが最適です。理論上は直感的に理解しやすい一方、実践するのは難しい手法だからです。特に、さらに深く掘り下げて防御層を追加する余地が常にあるため、実装は簡単ではありません。 

複数の手法による多層防御

前述のとおり、優れた多層防御戦略は、さまざまな手法をただ寄せ集めるものではありません。攻撃経路を評価し、その経路に沿って防御層を構築します。 

例を見てみましょう。 

クロスサイトスクリプティング攻撃を考えてみましょう。クロスサイトスクリプティング攻撃では、攻撃者がWebアプリケーションを使って、ブラウザー側で実行されるスクリプトを通じて悪意のあるコードをユーザーに送信します。Unit42の調査によると、2021年11月から2022年1月に公表された6,443件の脆弱性のうち、クロスサイトスクリプティングは最も一般的な攻撃ベクトルの1つとして際立っていました。 

こうしたデータは深刻に受け止めるべきです。クロスサイトスクリプティング攻撃が成功すると、アカウントのなりすまし、ユーザーの監視、攻撃者によるユーザー端末への外部コンテンツの読み込み、機密データの窃取につながる可能性があります。

こうした攻撃を防ぐための一般的かつおおむね有効な方法は、入力値の検証です。OWASPはこれを「すべての変数が検証を受け、その後エスケープまたはサニタイズされるようにすること」と説明しています。ReactやAngularなどの一般的なフレームワークを使えば変数の検証が容易になりますが、それでもセキュリティ上の隙は残り、クロスサイトスクリプティングが発生する可能性はあります。 

多層防御の考え方に基づき、企業は攻撃者がこうした一般的な対策を突破できると想定し、出力エンコーディング、HTMLサニタイズ、セーフシンク、コンテンツセキュリティポリシーなど、さらなる防御層を追加する必要があります。これらの方法を組み合わせることで、クロスサイトスクリプティング攻撃から安全を確保できるという確信が高まります。 

複数の製品による多層防御

複数のセキュリティ技術を採用して実装するだけでなく、企業は複数の防御層を提供する拡張性の高いセキュリティ製品の導入も検討する必要があります。

ツールを活用した優れた多層防御戦略では、膨大な数のツールを寄せ集めて多層防御と呼ぶことも避ける必要があります。451 Researchによると、39%の企業が一度に11~30種類の監視ツールを使用し、約10%が21~30種類を使用しています。「ツールの乱立」とも呼ばれるこの状態では、従業員が追跡しなければならないアラートやインターフェースが多すぎて、負担になりかねません。 

さまざまなインテグレーションを提供する機能豊富な製品を導入するほうが、多くの場合は現実的です。そうした製品を連携させ、多層防御戦略の一環として活用できます。 

たとえばSnykには、次のような製品が用意されています。

インフラストラクチャ・アズ・コードをスキャンして設定ミスを検出し、セキュリティポリシーへの準拠を確認するSnyk IaC…

このような拡張性の高い製品は、より大きな多層防御戦略の中で、効果的な防御層を構成できます。 

Snykでアプリケーションを安全に

Snykを使い始めて、開発者が最初から安全に開発できる環境を整えましょう。

攻撃者が成功するのをできる限り困難にする

多層防御は、攻撃者が存在し、いずれ自社を攻撃するという前提に基づいています。この前提を受け入れると、セキュリティを単一の防御層として捉えるのではなく、多層的な防止プロセスとして考えられるようになります。

セキュリティの厳しい現実として、完璧なベストプラクティスも、侵害されないツールも、完璧なセキュリティポリシーを実装し維持できる企業もありません。特に大規模な環境ではなおさらです。十分な時間とリソースがあれば、攻撃者はほぼあらゆる防御を突破できます。

こうした認識があるからこそ、多層防御が効果を発揮します。最終的な目標は、攻撃者が成功するのをできる限り困難にし、防御を突破するたびに次の防御に直面させることです。攻撃者にも無限の時間やリソースがあるわけではありません。成功を難しくするほど、攻撃を受ける可能性は低くなります。

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